- [7]ヴィジョンに光を送る
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設計士さんには、体にいい家を造って欲しいということを一番に希望しました。(その中には最低限の家相の問題をクリアすることも含まれていました。)
そして、合成材ではなく、すべて無垢の杉板と二階の一部に土壁を使って、壁紙とカ-テンではなく障子を使い、外壁にもオ-ガニックのペンキを塗ることになりました。
さらに、窓はすべて断熱性がよいペアガラスで、アルミサッシではなく木の枠を使って、一つ一つ作ってもらうことになりました。
一年以上経って、設計図が完成し、工務店を探す段階になったとき、そんな手間ばかりかかって儲けの薄い仕事を引き受けてくれる工務店は、なかなかみつかりませんでした。
ちょうどその頃、エネルギ-ワ-クを長年教えている方を名古屋にお呼びして、2日間のワ-クショップを開く機会が出来ました。
ワ-クショップの最後に、「居るだけで心からくつろげて、ありのままの自分を表現出来るスペ-スを創る」というヴィジョンに、みんなから光を送ってもらいました。
私自身そういうスペ-スをずっと欲していたし、セラピストを目指すようになってからも、セラピ-の理想として、何かをしたからよくなるというより、「何だか知らないけど、来たら元気になっちゃった。」というのがいいと思っていました。
「そのヴィジョンが実現した時の感覚を味わって下さい。」という誘導で感じたのは、深いところからわき上がってくる静かな歓びでした。
それからまもなく、塩尻にある工務店の社長さんから設計事務所に連絡が入りました。
その社長さんは実直な人柄で、木が大好きで、木材に大変くわしい方でした。
しかし、最初の見積もりの結果は、大幅に予算超過。
天井の高さや引き戸の金具等々細かくいろいろな部分を削って、見積もりし直してくれましたが、それほどには変わらず、結局、玄関棟とその上の和室をすべてカットすることにしました。
せっかく樹木が上から下まで見えるように工夫された設計だったのにと残念でした。
そこで,縦長に細長い窓を造ってもらうことで、その意図を生かすことにしました。
結果的に、その縦長の窓は、訪れた人の中でも一番人気の窓になりました。
また、変更したために、和室や納戸はなくなってしまいましたが、とても使い勝手のよい間取りになったと思います。
さらに完成してからわかったことですが、玄関から入った氣がスパイラル状に1階から2階を抜け、ロフトの天窓から出ていく構造になって、とても氣の通りのいい家になったのです。
実際、木聲舎の完成後初めて泊まったときに、包まれるような安心感と同時に、意識の拡がりを感じて、なんだかとても豊かな気持ちになったのを覚えています。
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[8]木のディーバの引越
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